ふるさと納税
「ふるさと納税」は、豪華な返礼品が一部では批判の対象となっており、総務省でも過熱気味な現状を抑制するような指導もあったようです。
しかしながら、納税者としては、制度として存在する以上は実利を求めるのも当然です。
「ふるさと納税」については、いろいろと解説しているサイトもありますので、ここでは、所得税法からの観点でつぶやいてみます。
「ふるさと納税」は、寄附金控除といわれる所得控除の一種です。
【所得控除とは】
雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除と14ある所得控除の一つになります。もの凄く端的に言えば、所得控除が多いほど納める税金が少なくなります。この所得控除の中で年末調整できないものが、雑損控除、医療費控除、寄附金控除で、所得税の確定申告書の提出が必要となります。
個人事業者の場合
(営業収入-必要経費-所得控除)×税率=所得税額
会社員・役員の場合
(給与収入-給与控除-所得控除)×税率=所得税額
【寄付金控除とは】
国税庁ホームページでは、次のように記載されています。
『納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。これを寄附金控除といいます。なお、政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等に対する寄附金及び公益社団法人等に対する寄附金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、税額控除を選択することができます。』
例えば、国境なき医師団、熊本地震、東日本大震災等に寄附した場合がこれに該当します。ふるさと納税もこの中に該当する一つの寄附になります。
【寄附金控除の計算】
次のいずれか低い金額-2千円=寄附金控除額
人気ランキングのサイトもあり、いろんなものを探すのも楽しいかと思います。ふる
さと納納税については、それぞれの所得に応じた限度額がありますが、限度額範囲内で
あれば、実質的な負担は2千円で豪華な返礼品がいただけます。
なお、限度額の計算シミレーションもネット上に各種公開されていますので、自分の
限度額を確認してください。
手順1 限度額を知ろう!
総務省ホームページに限度額をシミュレーションできるExcelがありますので、自分自身の
限度額を計算します。(概算)
総務省トップ > 組織案内 > 自治税務局 > ふるさと納税など個人住民税の寄附金税制
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430_3_kojin.html
手順2 寄附する自治体を探そう!
手順1で算出した限度額までが、実質2千円負担です。
例えば、5万円が限度額とすると、1万円寄附でも5万円寄附でも負担は変わりませんので、
MAXまでが有利です。そうすると豚モモ肉が実質400円で手に入ることになります。
寄附する自治体は何か所でも可能ですから、インターネットで検索してください。肉、野菜、魚類、甲殻類、お酒、お米、果物、菓子等多くの返礼品があります。
「さとふる」 や 「ふるさとチョイス」 が人気のサイトです。
返礼品は、寄附する金額により変わりますので、5千円とか1万円など組み合わせを考えて選び
ましょう。
果物等の生ものは季節(期間)限定となっていますので、ご注意ください。
手順3 手続き!
「ふるさと納税」は、寄附金控除といわれる所得控除の一種です。
所得税の確定申告書の提出が必要となります。
ただし、
1 寄付を行った年(1月から12月)の所得について確定申告をする必要が無い人
2 1年間のふるさと納税納付先自治体が5つまでの人
は手続き不要です(ふるさと納税ワンストップ特例制度)
※募金団体(日本赤十字社や中央共同募金会など)を通じた義援金については、「ふるさと納税ワ
ンストップ特例制度」は利用することができませんので、確定申告が必要です)
よくわかる!ふるさと納税
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/about/
ふるさと納税ワンストップ特例制度(所得税の確定申告をせずに控除が受けられる特例)