愛人手当は経費?

 インパクトの強いタイトルかもしれませんが、税務調査において、特殊関係人又は、特殊関係使用人がいる端緒を捕まえられれば、細かく調べられることになります。特殊関係人(愛人)イコール脱税というケースが過去も現在も多くありますし、やはり興味は一般的にも惹きますよね。

 では、いくつかの範囲のある特殊関係(使用)人のうち、愛人に絞って課税関係を確認することにしました。

事例1 個人事業者や会社経営者が愛人にポケットマネーから援助

 110万円を超える援助があれば、一般的には贈与税の対象となります。(雑所得や複数のパトロンがいた場合は事業所得との考えもあるようですが、裁判例がなく判定は難しいです。)

 また、一緒に飲食や旅行代金、贈り物等も事業用の経費や法人の損金にはなりません。

 一般的には、経費にしたいと思う経営者が多いと思いますが、手段・方法によっては、重加算税がかかることになりますし、どうしても不自然な出費の形になってしまいます。

 

事例2 個人事業者や会社経営者が愛人を外注先や従業員に仮装して援助

 経費を仮装したことになり、重加算税の対象となる脱税行為です。もちろん、仕事に従事していて、見合った給与や外注費であれば問題はありません。

 また、もともと従業員であった人を愛人にするケースもありますが、上乗せして援助していれば、上乗せ部分は、税務調査があれば否認されると考えられます。

 かなり前に、オリラジ経済白書という番組で「あなたの脱税ばれてます」というタイトルの放送がありました。斎藤洋介さん演じる税務署員が机・ロッカーやタイムカードの有無から従業員に仮装した愛人の架空給与がバレていました。社会保険や通勤費等も含めて、全て整合性を保つのは困難かと思います。いくら領収書に「出張宿泊代」と記載してもらっても、ホテルや旅館側には宿泊人数や浴衣の男女別は当然に記帳されていると思われます。怪しいと疑わられれば、ホテル側に質問される可能性もあります。

 

 最後に、国税不服審判所 平成15年1月15日裁決を簡潔に紹介します。

 「法人Xが実質経営者(みなし役員)であるYの愛人に支払った手当は、法人XからYに支払われた給与とするのが相当である。」

 結果、Yには給与課税、法人Xは損金不算入とダブルパンチとなりました。

 

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